生徒と向き合える仕事って幸せだなぁ、と思える塾をつくる

こんばんは。なかま塾、中島元気です。

個別指導塾の教室長の仕事を改革しよう、という話。この記事は、かなり業界の人向けのディープな話です。ご注意あれ。先日の記事「何が「真実の瞬間」なのかを常に考える」と似たような話です。

多くの個別指導塾は、教室に社員が1~2名いて、教室トップの責任者のことを教室長と言う。

この教室長の仕事って簡単に言うと、教室を運営する仕事。この教室運営の仕事、大きな塾になればなるほど「営業」という側面が強くなり、生徒との関わりが減っていく。

塾で働く人って子どもに勉強教えたいとか、子どもの進路実現をサポートしたいなど、子どものために働きたい!という動機で働いている人が多い。ただ実際に働いてみると、営業の仕事が多いことに気付く。

なかま塾にも大手個別指導塾で働いていた元社員が数名いるが、みな「室長の仕事って営業ですよね。」という。

営業とは具体的に言うと、「売上を上げること」であり、「生徒を増やすこと」「生徒を辞めさせないこと」である。

「生徒の成績を上げる」や「生徒を合格させる」ももちろん仕事としてあるが、「売上を上げる」という大命題の前には小さなことなのだ。

教室長は子どものために働きたいと一所懸命になればなるほど、「売り上げを上げる」という営業の仕事に押しつぶされ、子どもをほったらかしにせざる負えない現実に悩む。

その結果どうなるか。教室長はどうしようもない現実に押しつぶされ、「塾はブラックだ」と思いながら辞めていく。

これは、ある特殊な個別指導塾だけの話ではない。私が知る限り、大手の個別指導塾はこのような塾が多い。もしかしたら、今は変わっているかもしれないが、あまり期待はできないだろう。

私は、なかま塾を3年前に立ち上げてから、この教室長の仕事改革を行ってきた。

まず初めにやったことは、「営業の仕事をしない」ということを軸に、教室の運営方法を作っていったことだ。売り上げを上げるために教室運営をするのではなく、「生徒の成績アップ」と「生徒の志望校合格」に関連する仕事を最優先に、教室運営を行うようにした。

具体的には、
・営業電話はしない
・強引な勧誘はしない
・保護者への日々の報告電話はしない
・辞める子を無理矢理引き止めない
・定期テスト前は講習面談などしない
・講習売上アップのための電話や面談はしない
・売上目標なし

他にもたくさんあるが、ちょっと裏側の話すぎて、よく意味がわからないと思うのでこれぐらいで。わかる人にはわかると思うが、業界の常識をことごとく覆している。もし、上記したことを「うちもやってないよ」という塾があれば、それは素晴らしい塾だと思う。

まずやらないことを決めて、空いた時間を全て生徒対応につぎ込む。

こうすることで、教室長は生徒対応の仕事だけに集中できる。テスト前はテスト対策の指導に集中できるし、入試前は入試対策に集中できる。当たり前のことに当たり前に取り組める。

私も立ち上げ当初は一人だったので、もちろん教室長として働きながら自分で実験していた。やってみた結果、「なんと気持ちよく仕事ができることか!」と感動したものだ。

「生徒対応に集中できる」→「点数が上がる」→「生徒よろこぶ」→「友達を誘う」→「生徒が増える」→「売上が増える」という理想の好循環。

「売上が増える」が最後にあるが、やはりこれがないとご飯が食べれなくなるので許してほしい。

結果、何もないところから始めた無名の塾が、新規開校してたった8ヶ月で生徒数が100名を超えた。あまり生徒数のことは今まで言ってこなかったが、ちょっと心境の変化があったので言ってみる。この事実を知ってもらい、少しでも業界が変わることを祈るばかりだ。

今は6月下旬、定期テスト前。大手塾は夏期講習の売上確保に必死になっている時期だろう。うちは今、テスト対策の仕事に集中している。夏期講習の売上のための仕事なんて1ミリもしていない。

これが、本当の塾の先生の仕事なんだと思う。生徒と向き合える仕事って幸せだなぁ、とつくづく思う。

もちろん、なかま塾も理想にはまだ程遠い。この幸せを噛みしめながら進化し続け、業界の改革ができたらと思う。