塾はサービス業、なんて言う人は塾のサービスの意味をわかっていない

最近、教室運営について別の塾の先生から相談を受けた。

なかま塾での取り組みを色々伝え、特に生徒対応については、教室に来たときの挨拶のやり方から雑談のやり方、信頼関係の築き方まで細かく説明した。

それを聞いた先生の一言、「それってサービス業ですね」

別に悪気があって出た言葉ではないし普通の言葉だが、少しひっかかった。

「学習塾=サービス業」なんてあたりまえなのだが、サービスを与えているなんて思ってもいない自分がいたからだ。

それについて今日は書きたい。



学習塾はサービス業。

もともと学習塾の管轄は経済産業省であり、学習塾はサービス業に分類されている。

塾業界ではよく、通常の接客業などのサービス業と同じように勉強を教えるだけでなく顧客対応をきちんとやりましょう、と言われている。

塾でもホスピタリティが大切だ!なんて具合に。

これを否定する気はまったくなく、その通りだ。いいことである。

しかし、そのサービス・ホスピタリティという行為が何のために行われているのであろうか。

それって本当に子どもたちのためになっているのであろうか。



大手の塾がやるサービスの基本はこうだ。

定期的に面談で塾での様子を話してくれたり、塾での勉強の様子を電話で教えてくれたり。

授業の報告をメールで送ってくれたり、といったような保護者に対するサービス。

これが塾業界でいう一般的なサービスである。

何度も言うがこれらのサービスはとてもいいことである。

やれるなら絶対にやった方がいい。

ちなみにうちの塾では保護者との面談は定期的にやるが、それ以外は基本やっていない。

面談も受験生のご家庭だけは全員やるが、それ以外は希望制だ。

これらのサービスはすべてやった方がいい。でもうちではやらない。ていうか、やれないの方が正解かも。

それはなぜか。

それは、上のサービスを行おうとして仕事が増えれば増えるほど、子どもたちのために使う時間が減るからだ。


例えばご家庭に電話で授業の様子を報告するとしよう。

昼間はほとんど家にはいないから、電話するのは夜。

夜は授業があっている。その授業時間中にご家庭に電話する。

私も以前働いていた塾でやっていたが、一件につき5分以上はかかる。これを何件もやる。
その時間は、子どもたちには何もしていない。まあ、悪く言うとほったらかし。

子どもたちよりも保護者への報告を優先している。

時間は有限だ。その時間をどこに振り分けるか。

保護者対応に時間を大幅に使い、サービス・ホスピタリティの向上を目指すのが正しいのか。

時間が無限であればすべてやればいいが、できるだけ子どもたちのために時間を使うべきではないだろうか。

普通の個別指導塾がご家庭に電話している夜の時間に、私たちは子どもたちの質問に答えたり、授業を見て回っている。

この差が一年間でどれほどの時間になるか想像してほしい。

私が考えるサービスとは、子どもたちのためになるサービスである。

例えば、私たちは子どもたちと信頼関係を築くことにものすごく力を入れている。

教室に入って来たときからそれは始まっていて、どんな挨拶をするか、どんな声かけをするか、どんな雑談をするか、暗い顔をしていないか、ひとりさびしそうにしていないか、塾が楽しそうか、こういったことに神経を張り巡らせ子どもたちと接する。

ただ仲良くなるためではない。成績を上げるために信頼関係を築くのだ。

なかま塾は成績を上げるために、結構な量を勉強させる。

なんとなく楽しそうな個別指導塾に見えるかもしれないが、普通の個別指導塾ではありえない程の勉強量だ。

それでも信頼関係が築けているので長時間の勉強も厳しい指導も問題ない。

すべては成績を上げるためのサービスなのである。

ご家庭が求めているものは、「成績アップ」であり「志望校合格」である。

その要求に一直線にこたえるために、私たちの仕事のすべての行動を、目的へ向け計画し準備し実行している。

これがなかま塾のサービス。

子どもたちへのサービスが結局は保護者への最大のサービスになると思っている。

こういう取り組みを「サービス」と言われることに少し疑問を感じることを、理解いただけるだろうか。


私はサービスを与えているなんて思っておらず、求められていることに100%以上こたえようとしてやっている当たり前のことだと認識している。

子どもたちのためになることを、全力でやる。

教育というと堅苦しいが、教育という名のサービスである。

というわけで、塾=サービス業なんて久しぶりに思い出し、これが今のなかま塾が考えるサービスだよというお話。